波佐見焼とは?波佐見焼の歴史や特徴をご紹介します!

陶磁器の一つである波佐見焼ですが、作られるようになった背景や、色合いや形などの特徴についてご存知でしょうか。
波佐見焼の歴史を知れば、陶磁器の魅力をより感じられるでしょう。
今回は、波佐見焼の歴史や特徴について解説します。

波佐見焼とは?

波佐見焼とは、長崎県波佐見町付近で制作される陶磁器を指します。
現在でも日用食器の16パーセントのシェアを占めており、日本の生活を支えています。
かつては有田焼の一部として認知され、波佐見焼として有名になることはありませんでした。
有田焼の生産地である佐賀県有田町とは隣町の関係にあり、原料として使われる粘土も同じ素材です。

波佐見焼は大量生産のために分業による効率化を図っており、器の形成は手ではなく型が使われています。
その型を作る職人や、型を使って生地から陶磁器の原型を作る職人、生地を焼く職人など、様々な職人がいます。
人口1万5000人ほどの小さな町で大量生産を達成するには、分業制は欠かせなかったと言えるでしょう。

波佐見焼の歴史

波佐見焼の起源は、江戸時代に遡ります。
陶磁器が作られ始めたきっかけは、波佐見町村木の畑ノ原、古皿屋、山似田で登り窯が作られたことでした。
当初は陶器に釉薬を塗ったものが使われていましたが、磁器の原料が発見されると、磁器に着色したものである青磁が作られるようになりました。
江戸時代後期に入ると、染付の生産量が日本一になります。

江戸時代から作られている波佐見焼ですが、現代にいたるまで、その名はあまり浸透されていませんでした。
というのも、波佐見焼は伊万里焼や有田焼の一部とみなされていたからです。
波佐見焼が独自のブランドとして認知されるきっかけとなったのは、意外にも牛肉の産地偽装問題でした。
この問題から産地を明確にすることが重要視され、波佐見焼は有田焼の一部として名乗れなくなったのです。

産地を明確にすると同時に、独自のブランドとして発展させようとした結果生まれたのが、波佐見焼です。
数年前から広がったこの動きは、工房や自治体など、地域単位で協力が進んでいます。
現在では、伝統的な波佐見焼を継承しつつ、現代風に独自のアレンジが施された製品もあります。

まとめ

今回は、波佐見焼の特徴や、歴史について解説しました。
波佐見焼は小さな町が大量生産のために分業制を採用したことで、高い技術を持った複数の職人によって作られる陶磁器です。
波佐見焼の魅力を感じていただけましたら幸いです。